暮沢剛巳/美術批評

『斜めにのびる建築』 『サヴォア邸/ル・コルビュジエ』 『グローバル・シティ──ニューヨーク・ロンドン・東京から世界を読む』 『10+1』最終号

1──『斜めにのびる建築』
2──『サヴォア邸/ル・コルビュジエ』
3──『グローバル・シティ──ニューヨーク・ロンドン・東京から世界を読む』
4──『10+1』最終号

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クロード・パラン『斜めにのびる建築』(青土社)
かつてポール・ヴィリリオとも協働していた建築家の幻の名著。水平と垂直からなる建築に斜めという視覚を導入した発想は今でも新鮮。

中村研一『サヴォア邸/ル・コルビュジエ』(東京書籍)
20世紀名作住宅をめぐるシリーズの最初の1冊。多くの資料を動員して、語りつくされたはずの名作に新たな光を当てた意欲作。

サスキア・サッセン『グローバル・シティ──ニューヨーク・ロンドン・東京から世界を読む』(筑摩書房)
グローバル都市論の名著。原著の出版当時からは状況が激変し、やや翻訳の時機を逸したのが残念だが、それでも多くの問題提起は今なお有効。

『10+1』最終号(INAX出版)
創刊号の編集委員だった八束はじめを中心とする「Tokyo Metabolism 2010」は、14年に渡って続いた同誌の最後を締めくくるにふさわしい特集だった。