ENQUETE
特集:200903 30代建築家 アンケート<菊地宏
●1NAP事務所の中村拓志くんの集合住宅で樹木の間に建物が積極的に関係しあおうとするところや、ぷっくりと膨らんだ住宅の外壁などを見ると、外とのかかわり方、コンテクスト、外壁の振る舞いなど、表現方法は彼独自のものだとしても、同世代として影響されてきた背景に共通点を見ることができる。
- 左:中村拓志《Dancing trees,Singing birds.》
右:中村拓志《House SH》 ともに撮影:阿野太一
●2
ヘルツォーク・アンド・ド・ムーロン
初期の住宅の拡張案に見られる木に食い込んだ建築。スイスボックスを崩壊させていく先駆者。ピーター・メルクリ
《彫刻の家》。光と空間の関係。同じ寸法の部屋が二つあり、天井高が異なること。複数空間の問題に対する可能性。ギゴン・アンド・ゴヤー
《キルヒナー美術館》。光と空間構成のあり方。ピーター・ズントー
教会の建物の立ち方により生まれる外壁の風化のグラデーション。《ブレゲンツ美術館》の光空間の縦積み。モルガー&デゲロ
バーゼルの集合住宅を併殺した学校の外側を構成する外壁じみたポーチ壁面。ヴァレリオ・オルジアッティ
学校の外壁に平面構成の痕跡が窓廻りに現われているところ。西沢立衛
《森山邸》に見られる図式建築のよい意味での崩壊が結果として空間を豊かにしているところ。- 西沢立衛《森山邸》 提供:西沢立衛建築設計事務所
妹島和世
図式がどんどん不定形になって自由を獲得していく様子。アトリエワン
都市に対する観察眼の鋭さと建築に対して行なわれる多様な性格付け。昔の人では、
レイマ・ピエティラ
《ヘルシンキ工科大学学生寮》の中の食堂の緩やかな天井。ハンス・シャロウン
《ベルリン・フィルハーモニー》などの徹底した造形力。- ハンス・シャロウン《ベルリン・フィルハーモニー》 撮影:五十嵐太郎