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「ヒトってうまいのかな・・・」 となりで夕食を「エサだな、エサ」と言っている彼を見ながらふと思ってしまった。 彼にとってのファーストフードやファミレスの食事はエサなんだそうだ。 確かに動物にとっての食事は「エサ」だけど、人が「エサ」って言葉を使うと なんだか、心地悪くなってしまう。 いつものことながら、この台詞を聞くと気分が悪い。 残酷で皮肉な言葉に聞こえるからだ。 牛にとってのエサは草だし、ライオンにとってはシマウマやインパラだ。 小魚はサメに食われるし、カエルは虫を食う。 小学生のとき食物連鎖のぐるぐる回る図を見たことがある。 地球上の生き物や植物は食ったり食われたりの食物連鎖のなかで生きている。 人間だってそのなかに入っていたはずだ。 もともと、人間は排泄物だって、死体だって他の生き物の栄養になっていたんだ。 なのに、私はどんな動物にも食べられないし、「エサ」にもなれない。 なんの役にも立たない体なんだよな・・・。 そう思うとなんだかすごく寂しくなった。 「お前らは仲間はずれだよー」って言われている気がした。 人間はピラミッドの頂点にいるはずたったのに、それを支えているはずの動物がいな くなってしまった。 人間という動物にはなれずに、特異な生き物になろうとしたからだ。 他の動物を家畜にし、食ってばかりで、ぶよぶよ太って、下ばかり見てる。 だから、自分が見えないんだ。 私は、人間が何になろうとしているかわからない。 でも、そんなことわからなくてもいい気がした。 おいしい水を飲み、深い森に入り、美しい夕日を見て感じればいいんだ。 そうすれば、少しだけ動物としての自分のサイズが見えてくる。 私だって地球の一部から進化し、連鎖しあって生まれてきたんだから。 板垣カオリ(建築家)
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