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京都工芸繊維大学大学院建築都市保存再生学コース 保存再生学シンポジウム 2015(第3回)煉瓦建造物の保存と活用 ─フランダースから京都へ─(京都・12/12)

 京都には多くの煉瓦造近代建築が残されている。一方、ベルギーのフランダース地方はヨーロッパにおける煉瓦建築発祥の地ともいうべき歴史を持ち、日本における「フランス積み」という呼び方も、「フレミッシュ積み」が明治期に誤訳されたものである。  そもそも煉瓦という材料は耐久性に優れているため、良質な石材が採れない地方を中心に、ヨーロッパにおいては現代まで継続的に使用されてきた。また歴史的な煉瓦建造物の目地はソフトなライムモルタルで構成され、取り外し再利用が可能なサスティナブルな材料であった。
 しかし近現代において特に日本では地震等への対応から、煉瓦の目地はセメントモルタルで固められ、躯体として一体化しているため、材料としての再利用は困難である。さらに現在、日本の建築基準法において本格的煉瓦構造は想定されておらず、保存・活用においても多くの困難な課題を抱えている。煉瓦の本場ベルギーから極東の歴史都市京都に伝わった煉瓦建造物の歴史を見つめ直し、現代の保存と活用における課題と可能性を探りたい。

日時:2015年12月12日(土)13:30 - 17:00

会場:京都工芸繊維大学60周年記念館 1階記念ホール
(京都市左京区松ヶ崎橋上町1、京都市営地下鉄松ヶ崎駅下車徒歩10分)

講演者
クン・ヴァンバーレン(Koen Van Balen/ルーヴァン・カトリック大学教授/レイモン・ルメール国際保存修復センター)【逐次通訳あり】
深尾精一(首都大学東京名誉教授)

プログラム
13:30 挨拶:小野芳朗(京都工芸繊維大学副学長/KYOTO Design Lab長)
13:40 序論 フランダースと京都:田原幸夫(京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab特任教授)
14:00 組積造煉瓦建造物の長寿命化における石灰モルタルの役割について:クン・ヴァンバーレン(Koen Van Balen/ルーヴァン・カトリック大学教授)【逐次通訳あり】
15:10 地震国日本における煉瓦建造物の積み方の歴史的考察と事例紹介:深尾精一氏(首都大学東京名誉教授)
16:10 座談会 煉瓦建造物を使い続けることの意義と課題:クン・ヴァンバーレン+深尾精一+田原幸夫(司会・進行)【逐次通訳あり】
17:30 講師・参加者による懇親会 @プラザKIT(会費制)

定員:200名

入場:無料(申込不要/当日先着順)

主催:京都工芸繊維大学大学院建築学専攻/京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab

問合せ:京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab事務局
〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎橋上町1
Mail: info@d-lab.kit.ac.jp
Tel: 075-724-7282
Facebook:KYOTO Design Lab
Twitter: @kyotodesignlab


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