INFORMATION

シンポジウム「建築の公共性──誰のためにつくるのか」(港区・3/28)

 シンポジウム「建築の公共性──誰のためにつくるのか」(港区・3/28)

その建築をだれのためにつくるのか。
発注者のためです。そして同時にそれを使う人のためです。発注者が常に利用者であるわけではありません。そしてさらに周辺地域社会に住む住人たちのためです。そう私たちは考えます。
建築は一度そこに建てられてしまったら、長い時間そのままそこに残ります。現時点での発注者や利用者、周辺地域社会に住む人よりも長寿命です。つまり、建築は一方で未来の住人に引き渡されるものでもある、と私たちは考えます。
たとえそれが私的に使われる建築であったとしても、地域社会の中にそれが建てられ、そしてそれが受け入れられ、長い時間そこにあり続けているとすれば、それだけでもその建築はなにがしかの公共性を担っていると言えます。私たち建築の専門家は、その建築の公共性について、その都度それを発注者と共に考え、地域社会の人たちに迎え入れてもらえる建築を目指します。それは私たち設計者の最も重要な責任であると考えます。
どのような建築であったとしても、設計者はただ発注者の命令に忠実に従って設計するわけではありません。どのような建築であったとしても、その建築は発注者のための単なる私的建築ではないからです。その建築は同時に周辺の人たちからも共感されなくてはなりません。そのためには、それを設計する専門家の手助けを必要とします。つまり、私たち設計者は、周辺地域社会との関係をどのように考えるか、その考え方を発注者から求められ、その思想を評価された上で設計の仕事を依頼されているのだと考えます。
今、設計者と発注者そしてその利用者、そして周辺住人との関係は時に相互に対立しているかのようです。設計者が専門家としてのその役割を十分に果たしていないところに最大の原因があると考えます。そして一方で公共建築、民間建築を問わず、多くの建築があまりにも私的につくられているからです。発注者と設計者との関係を、本質的な意味で考え直すところに来ていると思います。
設計者の責任は極めて重いと考えます。あなたは誰のためにその建築を設計しているのか、設計者の一人一人に改めて問いかけたいと思います。(山本理顕) [シンポジウムチラシより]


日時
2019年3月28日(木)18:00 - 20:00(開場17:30)

会場
建築会館ホール
(東京都港区芝5-26-20)

登壇者
■開会挨拶
古谷誠章(建築家/早稲田大学教授/日本建築学会会長)
■基調講演
山本理顕(建築家/山本理顕設計工場/名古屋造形大学学長)
■パネリスト
赤松佳珠子(建築家/法政大学教授/日本建築学会 事業理事[本WG主査])
五十嵐敬喜(弁護士/法政大学名誉教授)
小野田泰明(東北大学大学院教授/日本建築学会 社会の信頼に応える建築の設計・施工者の選定方式を検討するTF委員
北山恒(建築家/法政大学教授)
木村草太(憲法学者/首都大学東京法学部教授)
塚本由晴(建築家/東京工業大学大学院教授)
藤村龍至(建築家/東京藝術大学准教授/日本建築学会 会誌編集委員長)

料金
一般1,000円 学生無料

定員
250名(事前申し込み制・先着順)
申し込み方法はウェブサイトをご覧ください。

主催
日本建築学会
 社会の信頼に応える建築の設計者・施工者の選定方式を検討するTF
 社会が受容する「建築の公共性」に関する検討WG

ウェブサイト
シンポジウム「建築の公共性-誰のためにつくるのか-」




このエントリーをはてなブックマークに追加

前の記事:公開討議「西欧的空間の彼岸とイスラーム空
次の記事:建築写真家・山岸剛作品展示「Tohoku
INDEX|総目次 NAME INDEX|人物索引 『10+1』DATABASE
ページTOPヘ戻る