201709

東京の〈際〉

1980年代から90年代初頭をひとつのピークとした文学的表象としての東京論。下部構造がそのまま上部構造として現われる現在の都市・東京の体験はいま、どのような記述を求めるでしょうか。2000年代以降の、「地形」「土木」「地図」などによって東京を語るフレームのかけ直しは、ある種の文学的表象の困難を覆す発見的な過程と言えるでしょう。他方、現在の東京の文化的地政は、かつて新宿 ─ 渋谷 ─ 秋葉原......という文化資本の移動が描いたスペクトルと異なり、地理的連続性を切断し、接続し直すなかで形成されているとも考えられるでしょう。このとき、東京の内に、あるいは東京を越境して発現する連続性を東京の〈際〉性と呼んでみたい。
特集では、偶有的でも必然的でもある6つの「場所」の〈際〉性について考察します。

都市アウターリング研究事始め──際はどこにあるか?

青井哲人(明治大学准教授)

東京港・港湾倉庫の世界システム

渡邊大志(早稲田大学創造理工学部建築学科准教授)

点在する東京のマーケット──再び都市の資源になりうるか

石榑督和(東京理科大学工学部建築学科助教)

滝野川と「サードドメイン」

日埜直彦(建築家)

「東京の〈際〉」を制作せよ──
関係の写像を超えて「未来」を拡張するためのプログラム

上妻世海(文筆家・キュレーター)

際を歩きにいく・足立区編

石川初(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科/環境情報学部教授)+伊藤隼平(石川初研究室)+西野翔(同研究室)

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1000年後のBuildinghoodに参加する──中谷礼仁『動く大地、住まいのかたち』評

島田陽(建築家)


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