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170 ダム
山中を車で走っていると必ずといっていいほどダムと出逢う。日本にはいわゆる「ダム」と呼ばれるものは約3,000基あるので、避けて走るのが難しいくらいである。自然の中にある大きな人工物は存在感があり圧倒される。また、ダムによってつくられた湖は自然と調和してとても美しい。
ダムとは、河川法により高さが15メートル以上のものと定義されていて、それ以下は堰堤と呼ばれている。ダムにはさまざまな形式があり、建設される地質・地盤、地震の頻度、建設時期によって形式が決められている。おもな形式として多い順に、アースダム、重力式コンクリートダム、ロックフィルダム、アーチ式コンクリートダム、コンバイン(複合型)ダム、中空重力式コンクリートダム、重力式アーチダム、台形CSGダム、バットレスダム、マルチプルアーチダムがある。上位3形式(アース、重力式コンクリート、ロックフィル)で全体の約95%を占めている。映画『黒部の太陽』でも知られる富山県の黒部ダムは、アーチ式コンクリートダムである。ダムの目的としては、洪水調整、水道、かんがい、発電等があり、複数の目的があるダムは多目的ダムと呼ばれている。
古いダムのなかには重要文化財に指定されているのものあり、今回紹介したなかでは豊稔池ダムが指定されている。最近はダムカードというトレーディングカードが全国のダムで配布されている。カードにはダムの写真・形式・目的・諸元が記載されており、ひそかなブームになっている。
今回の写真は古いものから新しいもの、いろいろな形式のもの、そのなかでも珍しいもの・金字塔となっているものを中心にセレクトした。
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