所在地 竣工年 用途 作成者 |
素材No. |
ミュンヘン 1992 美術館 樽谷敦 |
構造体であるコンクリートの上に張られたフィンランドの木製パネル。硬質な表情をもつコンクリートとは相反するこの素材を仕上げ材として用いることで、建築とその周囲との関係を緩やかに繋いでいる。白樺が植えられ、芝の敷かれた庭の中にあって、この建築が孤立することはない。単にパネルを貼るのではなく、同じ素材でフレームをつくることで、均一でありながら、マッスな壁となるのを避けている。 |
(樽谷敦) |
木製パネルとともにフロストガラスで建築を覆うことで、直方体のマッシヴなヴォリュームに柔らかい印象を与えている。フロストガラスは約24mのヴォリュームのファサードの上下を覆い、その反射効果によって周囲と緩く繋がることに成功している。下層には芝が敷かれた庭と白樺の幹、上層には空と白樺の枝葉がそれぞれ映り込んでいる。素材から放出される青白い光、素材から取り込まれるハイサイドライトの柔らかい光の実現は、空間の質と素材とが密に関連していることを示している。 |
(樽谷敦) |