ENQUETE

特集:200903 30代建築家 アンケート<

藤本壮介

●1
鳥瞰的に見渡せているわけではないので、共通点等は、あまり感じたことはありません。僕自身は、同世代のなかでは、良い意味でも悪い意味でも、古いと思っています。建築というものにこだわっている。そして建築がどのようにして始まるのか、建築というものはどこまで拡張していけるのか、という建築の可能性について、いつも考えています。また、空間というもののよって立つ枠組み、新しい時代の新しい価値観の枠組みについて、模索していきたいと思っています。あるいは、人工物としての建築とそのほかの自然物との関係の新しい形、また、人為と無為の間の新しい地平、のようなものに関心を持っています。そのようなことを根底に持ちながら、さまざまなアイディアを日々試みている。その試みは時にふざけたような建築に見える場合もありますが、それらは予感であり、自分の理解の範囲を少し超えたところで、価値観を拡張していきたいと思っています。

●2
ある意味では、すべての歴史的な建築物、歴史的ではない建築物、さまざまな都市の姿、すべての人工物、すべての人間が構築した概念、そしてすべての人間とは関係のないところから生まれた自然物から影響を受けていると思います。影響というか、それらの世界からインスパイアされて、自分の建築を拡張していくきっかけを見出そうとしている。
ただし、僕自身が建築にこだわっている、というときの「建築」という概念の根底は何なのか、うまく説明できませんが、アートとも、オブジェとも、概念とも、生活とも違う、建築、というものが、確かにある、という気がしています。

INDEX|総目次 NAME INDEX|人物索引 『10+1』DATABASE
ページTOPヘ戻る