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特集:201201 2011-2012年の都市・建築・言葉 アンケート<中村竜治
●A1これまで建築ができる最大限のことが試されてきたのだと思いますが、震災によって、建築ができる最低限のことを再確認する機会が与えられたと思います。でも、一方で建築の家電化に拍車がかかったような気もします。
●A2
SANAA《ロレックス・ラーニング・センター》
竣工は2010年ですが、東京都現代美術館での展覧会「建築、アートがつくりだすあたらしい環境──これからの"感じ"」でヴィム・ヴェンダースの映像を通して、疑似体験ですが、初めてラーニング・センターの空間を体験させてもらいました。もしも建築がしゃべったらという設定で、ラーニング・センターが語りかけて来ます。台詞は、建築や建築家の心を理解し慎重に言葉が選ばれていました。昔建築はあらゆるメディアの最前線にいたと聞いたことがありますが、しばらくの間遅れをとっていたと思います。でも、建築家の才能と努力と強い意志によって再び最前線に立ったんじゃないかと思わされるような建築と映像作品でした。人、建築、家具、照明、地面、景色、乗り物などあらゆるものが建築を中心に調和している感じがしました。石上純也《ガラスのシャボン玉》
(東京都現代美術館「建築、アートがつくりだすあたらしい環境──これからの"感じ"」)
ガラスの空気ドーム、純粋に見てみたいと思いました。今まで存在しなかったのが不思議なくらいちゃんと成立していました。きっと息をのむような美しい空間ができあがるのでしょう。東京ドームも幕といいつつプラスチックダンボールのような比較的硬い材料でできているそうです。建築がとてつもなく大きくなったときの構造的な想像力に僕たちはまだまだ欠けていて、そこには無限の可能性が眠っているんだろうなと思わされました。埋蔵されている鉱脈を発見するような作品だと思いました。- 「建築、アートがつくりだす新しい環境──これからの"感じ"」(東京都現代美術館、2011年10月29日〜2012年1月15日)
●A3