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旗、越境者と無法地帯(文京区・11/26-12/25)

旗、越境者と無法地帯(文京区・11/26-12/25)

「渋谷事件」とは1946年に東京の渋谷で発生した、在日台湾人と警察との間の抗争事件である。この事件は台湾、中国、日本及びアメリカの権力関係の下で複雑さを帯びた身分と国籍をめぐる問題に関連しており、当時国際社会の注視と抗議を引き起こすと共に数多くの評論が書かれた。この事件が映し出しているのは戦後復興期の都市における貧困とテリトリー争いと無政府状態である。もし都市を一つのリアルな政治空間として捉えるならば、この事件はまた戦後の植民地或いは帝国の内外で同時に進行していた空間の再構築と境界の新たな線引きの一環と見なし得る。これら越境者たちは断裂と横断の時代に投げ込まれ、身分、国籍、法律の保護、いずれも持たない丸裸の状況に置かれていた。台湾の歴史的脈絡の下に捉えれば、この事件は台湾人のアイデンティティ構築の起点であり、また以後の台湾におけるアイデンティティの曖昧さと矛盾性の源でもあった。
本企画は「渋谷事件」を戦後史を振り返る上での特異なポイントとして捉え、変動する国家権力及び国境線の下で個人が直面した赤裸の状態を新たに見つめ直す。時間軸に沿って書かれる歴史とは異なる策略から、沈黙している過去に声を発させることを試みる。決して歴史の研究ではなく、むしろそれに逆らう方式によって、遙か遠くの他郷の声を公的資料、テキスト及び口述記録といった史料の隙間から響かせる。台湾、日本、韓国及びマレーシアから参加した四名のアーティストの視点から、戦後の記憶及びポストコロニアルが経験してきた地理上の移動とコンテクストの変化を整理し、その歴史を改めて振り返ると共に、越境を通じて人の境遇、人間、場所、故郷の意義を問う。


ウェブサイトより]


会場
トーキョーワンダーサイト本郷
(東京都文京区本郷2-4-16)


期間
2016年11月26日(土) 〜 2016年12月25日(日)


時間
11:00〜19:00


入場料
無料


主催
公益財団法人東京都歴史文化財団トーキョーワンダーサイト


ウェブサイト
http://www.tokyo-ws.org/archive/2016/08/os-b03.shtml


アーティスト
藤井光、琴仙姫(クム・ソニ)、高俊宏(カオ・ジュンホン)、區秀詒(アウ・ショウイー)


キュレーター
柯念璞(コー・ネンープ)




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