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136 新・港村
2011年8月6日から11月6日まで、横浜トリエンナーレ特別連携プログラムとして、横浜馬車道駅近くの倉庫、新港ピアにて「新・港村 小さな未来都市」が開催された。主宰はBankART1929(代表=池田修)。約4,000平米の倉庫が4つのゾーンに分割され、多くのアーティストや建築家、クリエイター、また国内外の団体が、作品展示やイベント開催を行なった。文教地区、下町地区、広場と住宅街など、全体がひとつの〈村〉(=小さな未来都市)に見立てられ、それぞれの個人や団体が3カ月の期間中〈村民〉となり、交流していった。
会期初期には過半数のブースが未完成であり、会期中盤以降に完成に近づいていったことから、不完全な状態で会場を見た人も多いかもしれない。写真は、会期前、会期中、会期終盤のそれぞれに撮られているが、そのため多くは会期終盤の写真である。またBゾーンの建築系ラジオブースは、会期中、10の展覧会を順番に行ない、もっとも変化の多いブースであった。そのため変化のプロセスを独立して紹介している。
電力85パーセントカットを目標に、太陽光発電や人力発電を用い、夏の暑い最中も冷房なしで乗り切った。東日本大震災のあった2011年を象徴する展示であったように思う。参加団体、アーティストは100を超え、じつに多くの参加者が集っていた。そのため、普段出会う機会の少ないクリエイター同士が出会う場が生まれていたといえよう。3カ月という期間、会場が変わり続けていったために、訪れるたびに会場の印象が変わっていった。その様子の一部をご覧いただければと思う。
*なお、建築系ラジオ部分の写真撮影は、各展示者らによる。
[撮影者:松田達(東京大学)]
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