PHOTO ARCHIVES

57 東京[4]

写真アーカイブは、その活用の方法も含めて、さまざまな可能性があると思う。今回は、吉見俊哉さんと若林幹夫さんの編著による論文集『東京スタディーズ』(紀伊國屋書店)に収録された写真をとりあげている。これはガイドブックという形式を装いながら、具体的な場所から語りはじめること、個人的な体験を積極的に織り込むことで、東京の現在を分析した本である。出版の打ち上げのとき、せっかく多くの写真が集まったのに、それをカラーで見せられなかったのはもったいないという話になった。そこで、ウェブと連動することにより、カラーの図版を公開することを提案し、今回の「東京スタディーズ」編が誕生した。筆者が『世界の名建築』(光文社、2004)を刊行したときも、ページの制限から省いた写真も含めて、すべての写真をカラーで、このウェブで紹介した( 42 世界一周)。ただし、過去の建築写真アーカイブの東京編に比べると、今回は社会学的な視点から東京を切りとっているのが大きな特徴である。それぞれに簡単なキャプションをつけているが、興味があるテーマについては本を手にとって読んでいただければ、幸いである。



[撮影者:五十嵐太郎(建築史、建築批評)]

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pic  【臨海副都心】「余白化する都市空間──お台場、あるいは『力なさ』の勝利」若林幹夫[1] [2]

pic  【六本木】「迷路と鳥瞰──デジタルな都市の想像力」吉見俊哉

pic  【新宗教建築】「隣のユートピア」五十嵐太郎[1] [2]

pic  【米軍基地】「ベースとビーチ──『湘南』の記憶」吉見俊哉

pic  【ストリート】「新宿ストリート・スケートボーディング──都市下位文化の日常性」田中研之輔[1] [2]

pic  【ハイキング】「変容する徒歩空間──『ロマンスコース』の光と影」金子淳

pic  【郊外】「郊外を生きるということ──空虚さの中の過剰さ」若林幹夫[1] [2]

pic  【文学】「郊外を切り裂く文学」石原千秋

pic  【ポピュラー音楽】「脱・地名の歌詞世界の中で」山田晴通

pic  【TVドラマ】「都会ドラマと90年代の心象風景」ステファニー・デボア

pic  【台湾】「『すっぴんの東京』に出会う──日本ブームのあとさき」鄭秀娟

pic  【交通】「トーキョー・トレインズ──あるポーランド人社会学者の見た東京」イレーナ・リフロフスカ

pic  【秋葉原】「『おたく』の聖地は予言する」森川嘉一郎[1] [2]

pic  【セクシュアリティ】「東京の『性』はどこに消えたか」赤川学

pic  【皇居・丸の内】「占領地としての皇居」吉見俊哉

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*【 】内は執筆テーマ

東京スタディーズ
『東京スタディーズ』
吉見俊哉、若林 幹夫=編著
2005年4月発行
紀伊國屋書店
定価:2,100円(税込)
ISBN:4314009799
285頁

 


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