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建築インフォメーション

建築関連の展覧会、シンポジウム/レクチャー、出版等の情報。 2020.02.16更新


モスクワ、シャボロフカ街のシューホフ・ラジオ塔の運命に関するプーチン大統領への公開状

モスクワにおける近代技術の盛華ともいうべき構造物の存亡の危機にレム・コールハースら世界中の建築家、構造家らがアピール。日本からも安藤忠雄、伊東豊雄、川口衞氏などが加わっている。日本からも更なる支援の声を。

以下に掲載するロシアのプーチン大統領へのアピールは、設計者の名前から「シューホフ・タワー」とも呼ばれるモスクワのラジオ塔の取り壊しに反対するもので、世界中の建築家、構造家、研究者、歴史家などが賛同の署名を寄せている。レム・コールハース、トム・メイン、エリザベス・ディラー、ヘンリー・コブ、フィリス・ランバート、ロビン・ミドルトン、スタニスラス・モースなどがそれで、日本からは安藤忠雄、隈研吾、妹島和世、西沢立衛、川口衞、金箱温春、新谷眞人、アラン・バーデン、佐々木睦朗、元結正次郎、竹内徹などの諸氏が参加されている。保存運動の中心的な人物はシューホフの同名の孫ウラディミール・シューホフ氏、そしてイギリスの写真家リチャード・ペア氏(ロシア・アヴァンギャルドの現存の建物を撮影した写真集『The Lost Vangard』があり、「シューホフ・タワー」はその表紙を飾っている)及びフランスの建築史家ジャン=ルイ・コーエン氏である。このタワー及びその保存運動の意義についてはアピール文を見ていただくことにして、私の所にペア氏からの賛同依頼が来たのは三月の上旬である。私にとってはモスクワに赴くたびに必ず見に行ったのがこのタワーであり、一も二もなく賛同し、至急に何人かの建築家及び構造家に支援をお願いした。とりわけ代々木のオリンピック室内競技場の構造設計者である川口衞先生からは国際的な構造家の組織を紹介されたりして、支援はまたたく間に世界中に広がった。しかし、現実の進行はそれ以上に早く、三月最終週にはロシアの国会にこの議題がかけられるという。折悪しくロシアはウクライナ/クリミア問題に揺れている。たかが文化遺産にすぎないタワーにどれだけの注目が集まるかはわからない。しかし、それがわれわれの領分なのだ。声なき声とても挙げなければ声ではない。
文:八束はじめ

1922年創建当時のシューホフ・ラジオ塔

モスクワ、シャボロフカ街のシューホフ・ラジオ塔の運命に関するプーチン大統領への公開状

2014年3月13日

尊敬するウラディミール・プーチン大統領閣下

2014年2月25日に、ロシア・テレビ・ラジオ国家放送委員会は、技師ウラディミール・シューホフの設計により1922年に竣工したシャボロフカ街の名高いラジオ塔の取り壊しに同意致しました。メインテナンスの不備により構造の表面に生じた否定的な効果はあるとしても、危険があるという決定的な証拠も示されることはありませんでした。その設計者・建設者であり、一般的にロシアにおけるギュスターヴ・エッフェルと目されるウラディミール・シューホフの天才によって、この近代建築技術の最上の作品は、その構造上の革新とモスクワ市のシンボルとして時の試練に耐えてまいりました。

初期ソヴィエトの無線放送のために建てられたこの電波塔は、19世紀におけるシューホフの双曲面の探求から展開されたもので、全ロシアにわたって、同じ基本形式に基づく給水塔や送電塔、灯台などが何百と作られております。その構想の輝かしさのために、この設計は米海軍の弩級戦艦の監視・伝送用のマストの構造にも取り入れられました。シャボロフカ・ラジオ塔は、このような構造物のうち建造された最大のものであり、ウラディミール・シューホフを記念する傑作として残されております。それはモスクワの象徴の一つであり、また20世紀の最上の技術的な業績の一つとして、世界の技術的、建築的アイデアに広く影響を与えつづけています。しかし、技術及び建築のあらゆる歴史書に取り上げられているこの傑作は、今や新しい建物によって置き換えられるべく取り壊しの脅威に曝されています。投機的なディヴェロッパーが、現行の計画規制では、如何なる場所においても、それ以上の許可なくして既存の構造物と同じ高さのものを建設出来るという機会を利用しようとしております。このラジオ塔の敷地の含まれるモスクワの中央部の大部分では、9階、約25メートルの規制がありますが、150メートルのこのタワーがもし建て替えられることになれば、50階建てが可能となり、現代のヘロストラトゥス(功名心にはやって古代ギリシャで世界の七不思議の一つのアルテミス神殿に放火した人物)にとって絶好の機会を提供することになります。

このタワーを解体してその部材を後の再建のために保存するというようなことがあり得たとしても、結局再建自体の保証がないままでは著しくリスキーなことと言わなくてはなりません。最も肝要なことは、このタワーが、初期の英雄的なソヴィエト期の傑出した住宅地計画であった周辺のシャボロフカ街とのつながりが、そしてモスクワのパノラマと都市景観におけるキー・コンポーネントとしての機能が失われてしまうということであります。別の場所に移築されるというようなことがあったとしても、その歴史的な意義や都市的な文脈は失われてしまいます。尊敬するプーチン大統領閣下、われわれは、ロシアの技術的な天才が世界の文化に対してなしたユニークな貢献でもあり、モスクワにとって不可欠なこの遺産の保存に向けての即座的な手続きをとっていただくよう請願するものであります。解体ではなく、この傑作を国際的な基準に沿って慎重に保存し、ユネスコの世界遺産として登録していく緊急の必要性があるのです。この重要性は何十年にもわたって国内外の専門家達によって議論されてきました。この偉大な構築物が進歩し将来を希求する文明の光でありシンボルとして残存を許されることを保証していただきたいのです。(八束訳)

署名参加希望者は、以下のサイトを
http://theconstructivistproject.com/shukhov-tower-sos

シューホフ・ラジオ塔近影





LIXIL出版スタッフ募集(3/19必着)

当サイトの運営主体であり、現代建築家コンセプトシリーズ、LIXIL BOOKLET等を発行しておりますLIXIL出版のスタッフを募集します。
ご希望の方は、下記URLの応募方法にそってご応募ください。

▼ 業務内容
書籍流通・書店営業業務、出版制作およびホームページ制作のアシスタント
※勤務条件等の詳細については、下記ページをご覧ください。

▼詳細URL
http://www1.lixil.co.jp/culture/information/050_publish/002780.html



伊東建築塾 2014年度塾生限定講座 塾生募集のお知らせ(3/20締切)

優れた建築はアイデアだけでなく、ものと向かい合い、ものをつくる過程での具体的、発見的な思考にあふれています。この思考はどのようにして獲得できるのでしょうか。
この講座では、建築の概念にとどまらない、実際のものづくりのおもしろさを、レクチャーやフィールドワーク、ディスカッションを通して具体的に学びます。伊東豊雄が設計した建築を実際に見学したり、地域が抱える問題を住民と一緒に話し合い、建築との向き合い方を真っ向から考えます。つくり手の気迫を間近で感じることができる、少人数ならではの講座です。建築を志す方だけでなく、建築に関心を持つ一般の方の参加も歓迎します。

開講日数:年間 全20日
(月1〜2回、金曜19:00-21:00 もしくは土曜・日曜を中心に開講)

講師:伊東豊雄、伊東豊雄建築設計事務所スタッフ、安東陽子(テキスタイルコーディネーター・デザイナー)、遠藤勝勧 (建築家)、東海林弘靖 (照明デザイナー)、藤江和子 (家具デザイナー)、アレックス・カー(東洋文化研究者)、他

主な見学先:座・高円寺、(仮称)山梨学院大学国際リベラルアーツ学部棟、みんなの森 ぎふメディアコスモス、瞑想の森 各務原市営斎場、今治市伊東豊雄建築ミュージアム、岩田健母と子のミュージアム、台中メトロポリタンオペラハウス、台湾大学社会科学部棟、高雄ワールドゲームズメインスタジアム、他

受講対象:建築家、建築を志す学生、ジャーナリストおよび一般成人
定員:20名
受講料:一般 200,000 円 大学生・大学院生(修士課程)100,000 円
募集締切:2014年3月20日(木)

詳細URL:http://itojuku.or.jp/course/b/



瀬戸内海と地中海-二つの内海の共通性をめぐって-陣内秀信×伊東豊雄(愛媛・3/30)

規模こそ違え、瀬戸内海と地中海は多くの共通性を持っています。まず地形が似ており、背後に山や丘が迫った狭い土地に、高密な港街が古くから形成され、しばしば斜面の土地に迷宮的な空間の構造を生み出しました。歴史的には、どちらも古代から多くの船が行き交い、モノと人と情報の交流する重要な舞台でした。海賊がいた点も共通しています。地中海の世界には、その自然の恵みと歴史の蓄積を生かした想像性豊かな地域づくりが各地に見られます。古代・中世の都市や集落の魅力が再評価され、舟運による観光も活発です。アグリトゥリズモ(農業観光)ばかりか、ペスカトゥリズモ(漁業観光)も注目されています。瀬戸内海の問題を考えるのに、こうした共通性をもつ地中海との比較は大きな示唆を与えてくれるに違いありません。このシンポジウムでは、建築史家の陣内秀信氏をゲストに迎え、瀬戸内海と地中海、二つの内海の共通性を探ります。[詳細URLより]

日時:3月30日(日)14:30〜16:30(14:00開場)
会場:今治市民会館 2階 大会議室
 〒794-8511 愛媛県今治市別宮町1丁目4番地1
出演:
 陣内秀信(建築史家/法政大学デザイン工学部教授)
 伊東豊雄(建築家/今治市伊東豊雄建築ミュージアム名誉館長)
定員:200名(入場無料、申込不要)
詳細URL: http://www.tima-imabari.jp/event/1810




石山修武公開シンポジウム「これからのこと」(新宿区・3/30)

この度早稲田大学建築学科では「これからのこと」と題し、大学教授として27年の任務を終えた石山修武が、新たな活動の節目として、建築家、建築史家、建築理論家、5名をお招きし、「これから」を語る公開シンポジウム、建築談義を開催いたします。[詳細URLより]

日時:
 2014年3月30日(日)
 14:30〜18:00(14:00会場)
会場:
 早稲田大学大隈講堂(大講堂)
 (東西線 早稲田駅から徒歩5 分/JR 高田馬場駅から都バスにて10 分)
登壇者:
 安藤忠雄、石山修武、磯崎新、ヨルク・グライター、中川武、難波和彦
主催:
 早稲田大学創造理工学部建築学科 中川武
 早稲田大学創造理工学部建築学科 石山修武研究室
 同上OBOG会 北園徹
お問い合わせ:
 石山修武研究室内(TEL:03-3209-2278 FAX:03-3209-8944)
 渡邊 大志(watanabe@ishiyama.arch.waseda.ac.jp
詳細URL:
 http://ishiyama.arch.waseda.ac.jp/www/jp/korekara.html




建築論・建築意匠小委員会連続セミナー『建築論の現在』第14回 増田友也──その建築作品の世界(京都・3/29)

京都大学で森田慶一にひきつづいて建築論研究に大きな足跡を遺した増田友也は2014年に生誕100年を迎えることになる。この節目を機縁とし、建築家としての増田友也に焦点を当てるのが本セミナーの主旨である。
わが国のみならずいち早く空間現象に着目した建築論研究者としての業績は『増田友也著作集』全5巻にまとめられ、ひろく知られている。しかし増田は、静かな存在感に満ちた優れた作品を設計した建築家であり、また多くの建築家を育てた教育者でもあった。その作品世界の豊かさ、深い思索と創作行為との内実、設計に臨む厳粛な姿勢など、増田友也が建築家として後進に与えた影響は大きい。
本セミナーを通じて、建築家・増田友也の実像に迫ると共に、建築設計と建築論研究との関わりという根源的な主題を改めて問い直し、その新たな次元を切り開く契機となることを期待するものである。[詳細URLより]

日時:2014年3月29日(土)13:30〜17:00
会場:
 京都大学吉田キャンパス総合研究3号館 共通講義室155
 (京都府京都市左京区聖護院川原町53)
パネリスト:
 加藤邦男(京都大学名誉教授)
 前田忠直(京都大学名誉教授)
 松隈洋(京都工芸繊維大学)
司会 :
 朽木順綱(大阪工業大学)
定員 :200名(当日先着順)
参加費:会員1,000円 会員外2,000円 学生500円
主催:日本建築学会建築歴史・意匠委員会、建築論・建築意匠小委員会
お問い合わせ:
 京都大学大学院人間・環境学研究科 西垣研究室
 TEL:075-753-2899
詳細URL:
  http://www.aij.or.jp/jpn/symposium/2013/kentikuron.pdf




2013年度 大江宏賞公開講評審査会(新宿区・3/29)

今年も3月に「大江宏賞公開講評審査会」を開催いたします。修士設計優秀作品を選考し、大江宏賞を授与する公開審査会となります。大江宏設計の旧62年館を改修した市ヶ谷田町校舎にて開催いたします。広く学生・社会人のみなさまにお越しいただければ幸いです。[詳細URLより]

日時:2014年3月29日(土) 13:30〜18:00
審査員長:坂本一成(大学院客員教授)
特別審査員:赤坂喜顕 新谷眞人 Tom Heneghan
審査員:小堀哲夫 白川在 杉山智之
会場:
 法政大学市ヶ谷キャンパス市ヶ谷田町校舎
 5階マルチメディアホール(東京都新宿区市谷田町2-33) 
入場料:無料
問い合わせ先:
 法政大学デザイン工学部建築学科 教育技術員室
 〒162-0843 東京都新宿区市谷田町2-33
 tel:03-5228-1293(担当:石渡)
詳細URL:
 http://www.design.hosei.ac.jp/archi/01information/information.html




デザイン女子No.1決定戦 2014 NAGOYA(名古屋・3/26-27)

「デザイン女子No.1決定戦」とは、全国の大学・短大・高専・専門学校に在籍する女子学生による都市・建築・インテリア・プロダクトなどの空間に関係するデザインの卒業設計・制作を、地理的に日本の中心となるNAGOYAに集め、その年に卒業するデザイン女子No.1を決定する公開審査会です。同時に、選抜作品展示会、学生間交流の場、すでに社会で活躍している一流女性デザイナーの講演シンポジウムも開催します。
「デザイン女子No.1決定戦」という場は、「女子」という視点とキーワードを介して、都市・建築・インテリア・プロダクトといったデザイン分野について議論することにより、デザイン業界、さらには、社会全体に向けて、新たな視座でのデザインムーブメントを発信することを目指します。[詳細URLより]

日時:2014年3月26日(水)~27日(木)
会場:サーウィンストンホテル 2階 メゾン・ド・オペラ
審査員:
 加茂紀和子、廣村正彰、安東陽子、坂下加代子、橋本雅好
お問い合わせ先: info@design-girls-1.com
詳細URL:http://design-girls-1.com/



一般公開セミナー「科学と建築による構造デザイン-過去、現在、そして未来へ-」(江東区・3/23)

2011年東日本大震災以後、復興における建設の遅れが問題となっており、建築界における一般市民の理解や信頼回復が必要な状況にある。また、2020年東京オリンピック開催が決まり、新国立競技場基本設計競技案におけるデザインの新規性や建設意義について、議論が活発化している。
近年、構造デザインは、建築デザインに大きな影響を与えており、建築界における役割が高まっている。このような背景のもとで、今後の建築構造デザイン技術の発展を目的として、一般公開セミナーを企画する。対象者は、建築の専門家のみならず、これからの構造デザインを目指す学生の方々を始め、小学校高学年以上の一般市民とする。科学、建築、構造デザインを実演等により分かりやすく説明しながら学問の領域を広げること、また、未来の建築とは何かを考えることで、これからの地球上の住まい方を模索する。

講演者:新谷眞人、大森博司、難波和彦(講演順)
日時:2014年3月23日(日)13:30〜16:00
場所:
 日本科学未来館7階みらいCAN ホール
 〒135-0064 東京都江東区青海2-3-6
定員:300名(対象:小学生高学年以上、事前登録不要、参加費無料)
主催:日本構造家倶楽部
後援:日本建築学会(予定)、名古屋大学大学院環境学研究科(予定)
詳細URL:http://www.infojsdc.com/what-s-new/




アラキ+ササキアーキテクツ展 "Hands-on"Approach(港区・3/20-4/20)

アラキ+ササキアーキテクツが携わってきたプロジェクトを通して生まれてきたモックアップを中心に、プロジェクトにまつわるモノ、ヒト、コトを展示する。
人と建築の距離を縮める手法を、手で感じる「触れる展覧会」。

日時:
 2014年3月20日(木)〜2014年4月20日(日)
 (平日10:00-18:00、土日祝13:00-18:00)
会場:プリズミックギャラリー
入場料:無料
詳細URL:http://www.prismic.co.jp/gallery/works51/



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