201809

サウンド・スタディーズ
──個と集団を結ぶインフラストラクチャー

作曲家レイモンド・マリー・シェーファーが1977年に著した『The Tuning of the World(世界の調律)』から40年。都市を充溢するさまざまな音が生み出す風景=「サウンドスケープ」という鍵概念は、音響生態学的日常への意識を開き、公共のあり方を示す指針ともなりました。また情報工学環境の整備が進む過程で環境管理型社会のゆくえが問われるなか、エレベーターミュージック、ミューザックといった商業的マスキングが話題になるなど、音をめぐる議論は継続的になされてきました。騒音、喧騒、アナウンス、放送、インターネット......。われわれ個々人を包囲し、その身体にリズムを刻印していく音は、集団(公共)にどのようなかたちを与えていくのでしょうか。科学、技術、法、政治、文化、幾重にも折り重なる社会システムと音の関係を考える「サウンド・スタディーズ」を展開します。

公共性の音──イントロに代えて

松山直希(オーストリア・ウィーン大学Science and Technology Studies学部修士課程)

音を通して考える──あるいは公共性からのオプトアウト

カリン・ベイストゥルフェルト(マーストリヒト大学、Technology & Society Studies学部教授)+松山直希(オーストリア・ウィーン大学Science and Technology Studies学部修士課程)

都市空間における「肯定的共鳴」

カロリン・バードソール(アムステルダム大学)

ショッピング・モール──ミューザック、誤聴、そしてフィードバックの生産的な不安定さ

ブランドン・ラベル(アーティスト)


連載:建築情報学会準備会議

第3回:感性の計算──世界を計算的に眺める眼差し

モデレータ:木内俊克(木内建築計画事務所、東京大学建築学専攻ADS Design Think Tank担当)
伊藤亜紗(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授)+土井樹(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)


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