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山本──エマニュエル・トッドの『新ヨーロッパ大全』という本があるんですけどね。ヨーロッパ全体を国単位じゃなくて、すごく細かい単位で分割していくと、さまざまな文化的な特質が見えてくるんです。平等原理と権威原理で調べていって、家族の類型を、絶対核家族、平等核家族、直系家族、共同体家族という4つに分けるの。それが面白いのは、なぜ日本とドイツが国家主義になったのか? なぜフランス革命が平等核家族から生まれたのか? 共産主義がどこで受け入れられたか? ということが全部書いてあるからなんです。家族構成によって、人間がある価値観を埋め込まれて、それで社会が動いた、ということを言った人なんですよ。それからハンナ・アーレントの『人間の条件』には、なぜ建築家がこんなに虐げられているのかということが書いてあるんです。人間の活動は労働と仕事に分かれていて、労働というのは......