建築系ラジオ r4 現代建築を語る・聞く・読む

PLAY
山田幸司 山田幸司
山田──......これは『日本の建築家2 石井和紘 ジャズィな手法』という本ですけれども、まさに1985年。「2」というかぎりはほかにもあるわけで、内井昭蔵、石井和紘、六角鬼丈、大江宏、出江寛、安藤忠雄、毛綱毅曠とビッグネームばかり。安藤さんはまだ6番目に出てくるような人だったのですね。いかに石井さんに勢いがあったかということです。

福村俊治インタヴュー

地方の表現

福村俊治+入江徹+倉方俊輔+南泰裕+五十嵐太郎+松田達

2009年10月26日 沖縄那覇市国際通り某所 MP3 26.2MB 38'07''

PLAY

南──福村さんは滋賀県出身だとお聞きしました。まず、なぜ沖縄で建築活動をやることになったのか、ということからお聞きしてよろしいですか。
福村──......僕が大学に入った時は、田中角栄が日本列島改造論を発表して、建築ブームの時でしたが、大学を出たらオイルショックで就職口ゼロ。いまの不況よりひどくて就職口はまったくなかった。あるのはプレハブメーカーくらいでした。その時に1年くらいブラブラしていたら、原広司さんが『建築文化』に「建築に志のある者来たれ。給料は半ば保証する」という告知を出した(笑)。行ったら偶然、採用してくれたのです。......

出演者プロフィール

福村俊治
1953年滋賀県生まれ。1977年関西大学工学部建築学科卒業。1979年同大学修士課程修了。1982-1989年原広司+アトリエ・ファイ建築研究所。1990年空間計画VOYAGER設立。1997年team DREAM設立。2002年沖縄県那覇市新都心庁舎プロポーザル最優秀賞。

アストリッド・クライン インタヴュー2

クライン・ダイサム・アーキテクツの仕事

アストリッド・クライン+福屋粧子+大西麻貴+久山幸成+槻橋修+中田千彦+    小野田泰明+山田幸司

2009年10月17日 宮城県某所 MP3 18.7MB 27'09''

PLAY

福屋──今日の講演会を伺っていて、ピカピカのような表現するための言葉が出てきました。私はピカピカとか、フワフワというのは日本語ならではの表現だと思うのですが、気に入っている言葉があったりするのでしょうか。プロジェクトの名前は皆で考えるのですか。
久山──擬音語、擬態語という感覚は英語にはないとマーク・ダイサムもアストリッドも言っています。繰り返す言葉のリズムや音の響きが楽しげに感じるようです。KDa(クライン・ダイサム・アーキテクツ)でものをつくるときにも、言葉や理詰めでつくっていくのではなくて、コミュニケーションしたり絵を描いたり、ジョークを言い合って笑ったりと、ジェスチャー的な面が多いのです。それを表現するには難しい言葉ではなくて、誰でもすぐわかる、コミュニケーションしやすい言葉がポイントになっていると思います。
クライン──マークと私は、日本語のニュアンスのある綺麗な言葉を多く知っているわけではないので、すぐに伝わり、繰り返しで覚えやすい言葉を選ぶことが多いのです。......

出演者プロフィール

アストリッド・クライン(Astrid Klein)
1962年イタリア、バレーゼ生まれ。1986年エコール・ド・アール・デコラティーフ(フランス)卒業。1988年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)修了。1988年より日本での活動を始める。1988-1991年伊東豊雄建築設計事務所。1991年クラインダイサムアーキテクツ設立。1997-2005年日本大学講師。2002年、慶応義塾大学、筑波大学講師。
http://www.klein-dytham.com/

福屋粧子
1971年東京都生まれ。1994年東京大学工学部化学生命系卒業。1996年東京大学工学部建築学科卒業。1998年東京大学大学院建築学専攻修士課程修了。1999-2004年SANAA事務所。2005年より福屋粧子建築設計事務所主宰。2006年より慶応義塾大学理工学部助教。

大西麻貴
1983年愛知県生まれ。2006年京都大学工学部卒業。2008年東京大学大学院建築学専攻修了。同年より同大学院博士過程藤井明研究室所属。大西麻貴+百田有希共同主宰。
http://oaharchi.exblog.jp/

久山幸成
1973年兵庫県赤穂市生まれ。1996年横浜国立大学工学部卒業。1997年よりクライン ダイサム アーキテクツ。2006年より関東学院大学講師。

槻橋修
1968年富山県生まれ。1991年京都大学工学部建築学科卒業。1998年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程単位取得後退学。2002年ティーハウス建築設計事務所設立。2009年より神戸大学大学院工学研究科准教授。
http://www.teehouse.com/

中田千彦
1965年東京生まれ。1990年東京藝術大学美術学部建築科卒業。1993年コロンビア大学建築・都市・保存大学院修了。2003-2006年新建社。2006年より宮城大学事業構想学部デザイン情報学科助教授を経て准教授。

小野田泰明
1963年石川県生まれ。1986年東北大学工学部卒業。1998-1999年カリフォルニア大学建築都市デザイン学科客員研究員。2007年より東北大学大学院工学研究科教授。
http://www.archi.tohoku.ac.jp/labs-pages/keikaku/index.html

stream DEWインタヴュー

清水建設 stream DEW 2009展

stream DEW+松田達

2009年12月18日 MP3 13.7MB 19'55''

PLAY



松田──12月18日から24日まで「清水建設 stream DEW 2009展」が行われています。今日は、展覧会に関して清水建設の藤本裕之さんとstream DEWのチームの皆さまにインタヴューをしたいと思います。
藤本──Stream Dewは清水建設の設計プロポーザル系の若手が30人程集まり、組織を超えた活動を目標としています。コンペや合宿をしたり、今回のような展覧会をしたり、清水建設の作品集をつくったり......それによって社内にひとつのムーブメントをつくろうとしています。dewというのは雫という意味で、一人ひとりの雫が流れとなって新しいことに挑戦していくきっかけとなればと思っています。......

出演者プロフィール

stream DEW
藤本裕之+加藤万貴+石谷貴行+重松英幸+間島梓

山崎泰寛インタヴュー

建築外からのモチベーション 保健室から建築へ

山崎泰寛+松田達

2009年10月10日 京都(鴨川を臨むカフェのテラス) MP3 19.4MB 28'16''

PLAY

松田──山崎さんは、建築出身ではないのに、建築や空間に興味を持って建築雑誌の編集もしています。さらに建築関係の課外活動もしていますが、こういったモチベーションはどこから生まれているのでしょうか。
山崎──保健室の研究をしている時に建築は面白いと気づいたのです。研究では、保健室が都市的に位置づけられるということがわかりました。学校制度のなかにおさまりきらない、もしくは制度のなかでは否定されるようなことが保健室では受容される。保健室には制度内制度のような空間があるのです。......

出演者プロフィール

山崎泰寛
1975年生まれ。編集者。横浜国立大学大学院教育学研究科、京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。SferaExhibition/Archiveを経て、建築ジャーナル編集部勤務。藤村龍至とroundabout journal共同主宰。主な論考に「葛藤する家具」(10+1 No.18、INAX出版、1999)、「都市は学校でつくられる」(10+1 No.29、INAX出版、藤村龍至と共著、2002)など。

セシル・バルモンド インタヴュー1

「エレメント」展について

セシル・バルモンド+野村しのぶ(東京オペラシティアートギャラリー)+松田達

2009年10月18日 東京オペラシティアートギャラリー MP3 18MB 26'12''

PLAY

松田──今日は東京オペラシティアートギャラリーにて、セシル・バルモンドさんにインタヴューします。来年この場所で開かれる展覧会のコンセプトと概要についてお話いただければと思います。
バルモンド──東京での展覧会は「エレメント」というものです。エレメントとしての自然という考えに対して、抽象的なエレメントです。建築家としてわれわれがデザインするとき、抽象化を経てから現実化します。このギャラリーでは二種類の空間を見せたいと思います。ひとつは自然についてのもので、絵画やドローイングから生まれてきた川、水などあらゆるものです。もうひとつはそれと対照的に、抽象的なインスタレーションです。フラクタルがどのように見えるかということも日本の皆さんにお見せしたいと思います。フラクタルについてわれわれは多く話しているのに、その意味をあまり知らないからです。フラクタルがどのようなものかわかる部屋をつくります。もちろん私のプロジェクトも紹介します。 展覧会は興味深い体験となるでしょう。......

※このインタヴューはすべて英語です。

出演者プロフィール

セシル・バルモンド(Cecil Balmond)
1943年生まれ。建築構造家。スリランカ出身。英国サウサンプトン大学卒業後、1966年、オーブ・アラップに入社。レム・コールハースやダニエル・リベスキンドら著名な建築家の作品の構造設計を担当。現在、ペンシルバニア大学教授。主な構造設計作品に《カーサ・ダ・ムジカ》(レム・コールハース、2003)、《CCTV新社屋》(レム・コールハース、2008)など。

STREAM DEW 2009展 セッション1

「ものづくりの現在(いま)」について

藤本裕之(清水建設 Stream Dew)

2009年12月18日 INAX:GINZA 8Fセミナールーム MP3 11.4MB 16'39''

PLAY

藤本 ──現在行なっております展示は「清水のものづくりの現在」と題しまして、3つのものづくりストーリーを展示させていただいております。1番目は「ものづくりのプロセスをかたちにする」ということで新本社のプロジェクトでございます。......建築雑誌などを見ますと平凡でつまらないという評価もあります。そこで実はわれわれなりに、ものづくりの思いを込めてこれをつくっているということをご披露させていただければと思います。......

出演者プロフィール

藤本裕之
1962年東京生まれ。横浜国立大学大学院修士課程修了。1987年清水建設株式会社設計本部入社。現在、設計本部 商業・宿泊施設設計部 グループ長。2009年よりstream DEW委員会委員長。
10+1 website iTunesへ登録RSScontact

About r4

建築についてのさまざまな話題を音声番組として全国配信する「建築系ラジオ/ r4」。音声が持つ可能性とネットのアーカイブ性を組み合わせた、新しい建築メディアの試みです。「r4」は、パイロット版を経て、4人のコアメンバー が4つの"r"をキーワードとしてあげることから名付けられました。建築家への インタヴューの他、学生を交えた連載番組や、公開討議など、多彩な構成 で、建築について語ります。

r4コアメンバープロフィール

五十嵐太郎 松田達 山田幸司 南泰裕