建築系ラジオ r4 現代建築を語る・聞く・読む

青木茂インタヴュー

リファイン建築の原点

青木茂+松田達

2009年3月19日 青木茂建築工房 MP3 16.9MB 24'37''

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青木茂氏 青木茂氏 青木茂氏
松田──青木さんといえばリファイン建築ですが、どのようにしてそこに到達したのでしょうか。
青木──僕は、大分のなかでも田舎の佐伯市というところで設計活動を始めました。そこはコミュニティの濃厚なところで、同級生や先輩や後輩に大工さんや左官屋さんがいて、建築を始めたころは、そういう人たちからつくりかたを教えてもらったんですね。それが建築の出発点です。......あるとき『新建築』をみていたら、安藤忠雄さんのヨーロッパツアーが載っていた。車を買うために貯めていた100万円をもって、そのツアーに参加したんです。......印象的だったのは、北イタリアのヴェローナで、カルロ・スカルパの《カステルヴェッキオ美術館》を見たとき。「へぇ、建築って、ゼロからつくるものじゃなくて、ある空間に、1とか2とかの要素を差し込むと、すごくエレガントなものになるんだ」というのが第一印象で......

出演者プロフィール

青木茂
1948年大分県生まれ。1971年近畿大学九州工学部建築学科卒業。1977年アオキ建築設計事務所設立、1990年青木茂建築工房に組織変更。2006年〜2007年近畿大学産業理工学部客員教授、芝浦工業大学工学部非常勤講師、首都大学東京大学院工学研究科非常勤講師、2008年より首都大学東京研究戦略センター教授。

・株式会社 青木茂建築工房
http://www.aokou.jp/

徳山知永インタヴュー

プログラムと建築デザイン(後編)

発想とプログラム

徳山知永+松田達+平塚桂+たかぎみ江

2009年2月 8日 新宿の思い出横町 MP3 13MB 18'54''

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徳山知永氏
徳山──建築家の人、ものをつくっている人って、エゴが強いじゃないですか。そうじゃないとやっていけない。自分の作品をつくっているからには、個性を出さないといけないというのがあると思うんですよ。だから、あまりコンピューターを入れるのはよくないと思ってると思うんですね。それは僕は正解だと思う。だから、これだったら入れてもいかもって思えるものを[つくりたい]......

出演者プロフィール

徳山知永
1984年東京生まれ。京都大学農学部卒業。FABRICAインタラクティブ・アート部門在籍。隈研吾《ティファニー銀座》、石上純也《神奈川工科大学KAIT工房》のためのCADソフトを製作。 http://www.tomonagatokuyama.com/

平井あかねインタヴュー

人間らしさのあるまち、ドバイの魅力

平井あかね+国広ジョージ+南泰裕+原英嗣

2009年3月19日 ドバイ国際空港にて MP3 6.8MB 9'52''

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南──ドバイはここ数年、ほんとうに注目されて、さまざまな都市の再開発が行なわれてきているんですけれども、あかねさんは世界的に有名になる以前からドバイをご覧になっていて、最近の変化とか開発については、どのように思われますか。
平井──素直にアラブが好きな人間としては、ここまでしてしまうとちょっと残念な気もしますし、ちょっとアラブらしさが欠けてきているかなと思う部分もあるんですが、アラブというものを知らない外国の方もたくさんいらっしゃいますから、こうした建設や開発を通じて、アラブをもっと知ってもらいたいというのが、アラブとしてもあると思うんですよね。......"

出演者プロフィール

平井あかね
1973年東京都生まれ。1994年アメリカ・オレゴン州に留学後、1997年単身ドバイへ。UAE初の「現地採用でローカル企業に入社した日本人」として現地の新聞『Gulf News』に掲載される。いくつかの企業に勤務した後、2006年よりフリーとしてツアーガイド、メディアサポート、会社設立サポート、イベントサポートなど多岐にわたって活躍。現在、UAEの財閥アルグレア氏の会社アルグレアカンパニー旅行部門所属。

平田晃久インタヴュー

animated解体 その2──なぜ原理的であるか?

平田晃久+松田達+南後由和+大西麻貴

2009年3月 2日 南洋堂書店 MP3 12.4MB 18'00''

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平田晃久氏 平田晃久氏

写真提供:南洋堂書店
 

大西──ピュアに原理的なものをつくりたいわけじゃないけど、だからこそ最初は原理的なものをつくらないといけない、というのは、私にはあまり切実さをもって感じられないのですが、そのあたりをお聞きしたいです。
平田──......どの時点で不純さが混じってくるのか......例えば《sarugaku》みたいに、商業建築でものすごいノイズが入ってくることが分かっているものだったら、[原理的なことを]結構スポンとやってもちょうどいいんじゃないかとか、逆に住宅だったらどうかなとか、そういうスタンスのとりかたもあると思います。僕はそれを表現したいわけではない。だけど、奇妙に入り交じった不純さとある純粋さをつくりたいし、その考え方じゃないとできない世界をつくりたい。その考え方じゃないとできない部分って、やっぱり原理的な部分だと思っていて、そこを考えることは大きなテーマに成らざるをえない...

出演者プロフィール

平田晃久
1971年生まれ。京都大学大学院修了。平田晃久建築設計事務所代表。京都造形芸術大学、日本大学、東京理科大学非常勤講師。作品=《House H》《House S》《sarugaku》《Showroom H(桝屋本店)》ほか。

徳山知永インタヴュー

プログラムと建築デザイン(前編)

建築家とプログラム

徳山知永+松田達+平塚桂+たかぎみ江

2009年2月 8日 新宿の思い出横町 MP3 14.6MB 21'11''

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徳山知永氏
松田──建築関係だと、石上純也さんの《KAIT工房》のプログラムをやってますが、これはどういうプログラムですか?
徳山──......例えばvector worksだと、柱を回転させるだけでも何回かクリックが必要で、すごい時間が掛かってめんどくさい。それが何百個もあると大変だということです。[依頼を受けた]当初はもうちょっとざっくりしていて、何やってもいいというか......コンセプトはもうできていて、模型も何個かあったんですね。そのときに、逆に何ができるの? って言われて、それでいくつかネタ出しをして、最終的にああいうソフトの方向性になったという感じですね。

出演者プロフィール

徳山知永
1984年東京生まれ。京都大学農学部卒業。FABRICAインタラクティブ・アート部門在籍。隈研吾《ティファニー銀座》、石上純也《神奈川工科大学KAIT工房》のためのCADソフトを製作。 http://www.tomonagatokuyama.com/

建築家インタヴューシリーズ第2回 阿部仁史

ナオミ・ポロック『HITOSHI ABE』をめぐって その5

ロサンゼルスの都市、東京の都市

阿部仁史+ナオミ・ポロック+堀口徹+五十嵐太郎+今村創平+松田達

2009年3月14日 南洋堂書店 MP3 15.4MB 22'26''

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阿部仁史氏+ナオミ・ポロック氏今村創平氏+阿部仁史氏+ナオミ・ポロック氏+松田達
今村──ロサンゼルスはグローバルなところですが、なかなか日本はグローバルプラットフォームにはならないところがあるような気がするんですね。阿部さんはロスに行かれて、改めて感じているところもあるでしょうし、20世紀後半の代表的な著名人たちもアメリカに引き寄せられちゃってるんですね。......阿部さんに期待するのは、向こうでやったことを日本に持ってきて日本でもやって欲しい。
阿部──アメリカと日本の関係は、80年代後半に切れたんですよね。昔はありましたよね、磯崎さんを中心に。その後中国がわあっと来て......来週プリンストン大学が来て東大でシンポジウムするらしいんですが、プリンストンが言うには、中国なんかよりも日本の方が面白いんじゃないかと。もう一回、そういう意味での建築にまつわるいろんな知識人との交流をやっていきたいんだと言っているらしいです。そういう意味では、中国、ドバイ的な建築の力の引き寄せ方に対して、もっと違うところで日本が何ができるかということがこれから大事だし、そういうことをどんどん......"

出演者プロフィール

阿部仁史
1962年宮城県生まれ。東北大学卒業。1992年までコープ・ヒンメルブラウンのアトリエに勤務。2007年よりUCLA建築・都市デザイン学科学科長。1992年阿部仁史アトリエ設立。作品に《宮城スタジアム》《熊本県苓北町民ホール》ほか。

平田晃久インタビュー

animated解体 その3

「内発的な原理」をめぐって

平田晃久+松田達+倉方俊輔+たかぎみ江+南後由和

2009年3月 2日 南洋堂書店 MP3 9.2MB 13'24''

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平田晃久氏 平田晃久氏+倉方俊輔氏+松田達
南後──古墳の形がもつ強度はニュアンスとしては分かるのですが、住宅や超高層といった場合に、スケールによって形の強度を支える条件は変わるのでしょうか。
平田──表面積の話でいくと、メキシコの例では光を拡散させるために表面積を増やしている。《ギャラリーS》の例では人のための床面積を確保するために表面積を増やしている。要請は違うけれど、同じ原理が引き寄せられる。だけど一方で、同じ原理なんだけれども、起こっていることは微妙に違う。そういうところでスケールの問題が介在してくると思っています。同じ原理が異なったスケールで展開できると思っています。スケールレスでありえる。でも同じ展開ではない。篠原さんはそれに対しては違うと言っていて......

出演者プロフィール

平田晃久
1971年生まれ。京都大学大学院修了。平田晃久建築設計事務所代表。京都造形芸術大学、日本大学、東京理科大学非常勤講師。作品=《House H》《House S》《sarugaku》《Showroom H(桝屋本店)》ほか。

OMA《台北パフォーミング・アーツ・センター》レヴュー

アジア国際コンペの現在

五十嵐太郎+南泰裕+山田幸司+入江徹+松田達

2009年3月29日 台北市立美術館 MP3 11.7MB 16'59''

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収録風景 OMA《台北パフォーミング・アーツ・センター》模型

*右の写真をクリックするとカラーで全体が表示されます
 

南──......ちょうど近代化の途上にいると考えられている台湾と、現代建築の交差点であるひとつのコンペとして、非常に興味深いなと思います。 五十嵐──例えばソウルであれば、コールハース、マリオ・ボッタ、ジャン・ヌーベルのやった美術館があって、台北もこれが完成すればOMAの作品があることになる。じゃあ、東京は大丈夫か。東京の方が圧倒的に知名度はあけれど、この10年、いや20年、東京でこういうおもしろい国際コンペはないんじゃないかとあらためて思いました。......伊東豊雄さんの大きなパブリックな建築もないし、逆に心配になりました。

出演者プロフィール

入江徹
1974年生まれ。横浜国立大学大学院修了。琉球大学准教授。
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建築についてのさまざまな話題を音声番組として全国配信する「建築系ラジオ/ r4」。音声が持つ可能性とネットのアーカイブ性を組み合わせた、新しい建築メディアの試みです。「r4」は、パイロット版を経て、4人のコアメンバー が4つの"r"をキーワードとしてあげることから名付けられました。建築家への インタヴューの他、学生を交えた連載番組や、公開討議など、多彩な構成 で、建築について語ります。

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