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山本──施主というのはさまざまな形をとります。地方公共団体であったり、民間デベロッパーであったり、個人住宅の発注者であったり......。それらを全部施主と呼ぶのはまず間違いではないか。例えば、地方公共団体は施主じゃないんです。発注者ではある。発注者が市民のお金で、発注の手続きをしているに過ぎないわけだね。その発注者の意見と、われわれ建築家とのあいだだけでものをつくるというのは、ちょっと違うんじゃないかと。われわれ建築家が発注者の方向だけを向いていると間違えちゃうんですよね。そこには最終的には住む人がいるんですよね。その住む人の方を誰が見るのかというと、建築家が見るしかないんですよね。"