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南後──なぜ僕のような社会学者にとってレム・コールハースが魅力的にうつるのかというと、もちろんAMOのリサーチというのもあるのですが、建築家の職能自体を建築的思考によって建築している、とでもいいましょうか、建築家の社会的位置みたいなものを考えるうえで、コールハースというのはすごくスリリングなわけですね。先ほど堀井さんが「なぜ彼は建築家を辞めないのか」と言っていましたが、1972年のプロジェクト《エクソダス》のサブタイトルは「自発的な建築の囚人」だったわけです。......それを文字って言うと、コールハース自身が囚われの建築家、自発的な囚人として建築に関わっているというアイロニカルな見方もできる。......
出演者プロフィール
南後由和
1979年生まれ。社会学、都市・建築論。東京大学大学院情報学環助教。桑沢デザイン研究所、駒澤大学、法政大学非常勤講師。