五十嵐太郎:Photo Archives 22 東京[2]
WebSite_10+1
IGARASHI Taro Photo Archives

プラハウィーンイタリアオランダ 1オランダ 2ベルリン1ベルリン2パリ 1パリ 2ロマネスク

公開の原則と著作権について

建築を学ぶためには、読書をすることと、旅をすることが重要である。両者は補完し あう関係をもち、どちらかが一方的に持ち上げられるべきではない。筆者の編著による『READINGS1: 建築の書物/都市の書物』の冒頭において、以上のようなことを書いたことがある。実際、建築を学ぶようになってから、旅を多くするようになった。多くの場合、観光地と建築が重なるのは便利だったが。そして1990年頃から旅先では意識的にカメラをもっていき、記録のために、できるだけ建築物を撮影するようになった。2000年の現在、数えてみたら、スライドケースで400本近くの蓄積があることが判明した。少なくとも、1万4千枚にはなるだろう。膨大な数である。幸い、『10+1』のWeb版の開始にあたり、それらを公開してみてはという提案をいただき、スライドの整理をかねて、全体の半分程度を少しずつネット上に流すことにした。

公開にあたっては、以下の原則を設けた。

1——当Web上の画像をダウンロードして、設計の資料作成や学生のレポートなど、営利目的ではない個人的な利用のために使用する場合には、五十嵐太郎を含めて、全ての撮影者の許可を必要としない。
ただし、写真撮影者のコピーライト表示、
「©」+「氏名」——例《©Igarashi Taro》——を
明記すること。
2——商業目的の出版物などに使用する場合は、個別に対応するが、基本的には若干の写真使用料を課すこととし、事前の連絡と掲載された雑誌書籍を撮影者宛に寄贈することを条件とする。
3——上記の写真使用料は、アーカイブを継続し存続させていくための経費——主要には写真フィルム代および現像代に相当する実費——1点300円程度とする。
4——そのほか、オリジナルのポジフィルムなどの必要が生じた場合は、個別撮影者宛にその旨メールを送られたい。
また、アーカイブの写真の解像度は72dpiで以下の2種類のサイズで保存されている。
1——Web上で通常公開されているサイズ[長辺300pix(約10cm)]
2——ダウンロード用サイズ[長辺1400pix(解像度350dpi/約10cm)](準備中)

ネット時代において、このアーカイブは知的情報を共有し、建築写真の流通に変化を与えることを目指している。いわば美術館設立にあたり、基本コレクションを寄贈したのが筆者の役割とも考えられ、今後、足りない分野の写真を別の方からまとめて寄贈されることもありうるだろう。

なお、ボランティアに近い状況でアーカイブを公開するために、時間不足から幾分データに誤りが含まれているかもしれない。また建物の用途が変更されることもある。そうした場合、メールでご指摘いただければ、すぐに対応して修正したい。文字情報のフリーソフト運動として、複数の人間の参加により、「プロジェクト杉田玄白」や「青空文庫」などが進んでいるように、膨大な画像情報の共有も、ひとりの力だけでは成し遂げられないからだ。
[五十嵐太郎]
iga-taro@isc.chubu.ac.jp


Photo Archives 22 東京[2]

様式建築

辰野金吾《東京駅》
トロブリッチ&リビングストン社《三井本館》
ジロジアス神父ほか《築地カトリック教会》
アントニン・レーモンドほか
《聖路加国際病院旧棟》

内田祥三《東京大学安田講堂》
伊東忠太《東京都立慰霊堂》
森山松之助《台湾閣》

モダニズム

《同潤会大塚女子アパート》
西村伊作《文化学院本館》
谷口吉郎《東京国立博物館東洋館》
今井兼次ほか《根津美術館》
坂倉準三《岡本太郎記念館》
丹下健三《静岡新聞・静岡放送東京支社》
丹下健三《国連大学》

ポストモダン

山下和正《フロムファーストビル》
槇文彦《スパイラル》
槇文彦《TEPIA》
篠原一男《東工大百年記念館》
内井昭蔵《世田谷美術館》
磯崎新《お茶の水スクエア》
石井和紘《田辺エージェンシー本社》
谷口吉生《葛西臨海水族園》
竹山聖《TERRAZZA》
北川原温《メトロツアー》
鈴木エドワード《ジュールA》


外国人建築家

マリオ・ボッタ《ワタリウム》
リチャード・ロジャース+アーキテクト・ファイヴ
《歌舞伎町プロジェクト林原第五ビル》

ピーター・アイゼンマン
《コイズミライティングシアター》


新しい東京

安藤忠雄《国際こども図書館》
クライン・ダイサム・アーキテクツ
《ラフォーレ原宿》

《UNDERCOVER》
《パルコ ZEROGATE》
SYBARITE《MARNI青山店》
日建設計《リバティタワー》
《ラピュタ阿佐ヶ谷》